COLUMN

2023年米国研修コラム

米国研修コラム|06

古川 祥史

株式会社日清商会
食品事業部 仙台支店

古川 祥史さん

アメリカ大豆の安定供給を支えていたのは、 大豆生産者の不断の努力だった

まず初めに今回USSEC様からのソイオイルマイスター向け米国研修ツアーを通じて、大変貴重な体験をさせていただいたことを関係各位の皆様に感謝を申し上げます。このコラムでは、今回の米国研修を通じてアメリカの食文化という観点を中心に現地の方や自分なりに感じた事を少し書かせていただきます。

今回の研修では現地の農場やメーカー、研究所などの各施設を視察しました。
最初に訪問したのが、米国の種苗会社ベックスハイブリット社です。米国で3番目に大きい種子ブランドで、1937年にベックス一家にて設立され中西部及び近隣農家に種子を提供しています。NON-GMOも取り扱いあり、種子製造工程を見学しながら丁寧に説明をしてくれました。
2件目はブンゲ社、アメリカで大豆油を中心とした搾油メーカーで、今回は充填施設、製品倉庫施設を見学させていただきました。
3件目はケビン・ケリーの農場を視察、副業での風力発電施設も含めて広大な大豆、コーン畑は、日本とは比べ物にならないほど広大で、巨大な農機具や散水機を視察しました。
4件目はパデュー大学連携のインディアナコーン&大豆イノベーションセンターを訪問、600haもの農地をすべて研究用として日々研究・開発を行っていると聞き大変驚きました。
5件目はコルテバ社を訪問、種子事業、農薬事業、Plenishブランドにて高オレイン酸大豆油の製造。販売を手掛け、最新の研究設備で日々農薬や種子の改良や開発を行っているとの事でした。

  • ベックス社の種子製造工程
    ベックス社の種子製造工程
  • ブンゲ社工業外観
    ブンゲ社工業外観
  • ケビン農場の広大な大豆畑、風力発電
    ケビン農場の広大な大豆畑、風力発電
  • コルテバ社の高オレイン酸大豆油
    コルテバ社の高オレイン酸大豆油

1%でも多く収穫できるように産官学が連携して研究・開発

今回の視察を通して一番印象に残ったことは、どこの施設の方々達も限られた農地面積(米国大豆約9000万エーカー)に対して1%でも多く収穫出来るよう、不断の努力を続けている事です。その努力の姿勢、企業家としてのチャレンジスピリットがよく伝わってきました。種子は大雨や干ばつなどの天災により強く、農薬はより作物に影響なくより害虫に効果的に効くようにと、研究開発が進められていて、生産農家は、巨大な農機具などを使用することによってより効率的な作物管理を推進していることを実際に感じることができ、学ぶことができました。

今回の視察研修を終えて

普段私は日本国内において業務用の油の販売をさせていただいており、漠然と米国から大豆が来てそれを処理し販売しているという流れは知っていたものの、ここ最近の安定した収量は関係者のこうしたただならぬ努力の上で成り立っている事を実感しました。普段私たちが何気なく摂取している大豆油において様々な方達が携わり、努力し続けて成り立っているということを今一度理解しながら、今後についても間接的な形とはなりますが米国産大豆油の販売・消費拡大に貢献していきたいと思います。

運営団体

アメリカ大豆輸出協会(U.S. Soybean Export Council:USSEC) は世界80ヶ国でアメリカ大豆の市場拡大や輸出のプロモーションをおこなうマーケティング機関です。USSECには優良な輸出業者・大豆生産者・政府機関・関連団体等がメンバーとして所属しております。

お問い合わせ

※ボタンを押すと当検定を管理運営しております一般社団法人コンピューター教育振興協会宛てにメールフォームが開きます。お客様の個人情報については、お問い合わせへのご対応・CS分析、推進以外の目的では使用いたしません。あらかじめご了承ください。