トレーサビリティ

Traceability

アメリカ大豆とトレーサビリティの重要性について

Importance of Traceability in the U.S. Soy

消費者の食品への安心・安全意識や品質向上へのニーズが高まっています。また近年ではそれらに加え、食品企業へ投融資を行う機関投資家や銀行等も、原料調達の方法や調達先での生産、収穫プロセス等への関心が高く、サプライチェーンの透明性と高いトレーサビリティを要求しています。日本では大豆の9割を輸入しており、そのうち7割を占めるのがアメリカ大豆です。しかし、日本企業が複雑なアメリカ大豆サプライチェーンを把握し、調達方針や監査基準を独自設定するのは、経済的な負担にもなり容易ではありません。

そこで、USSECが提供する信頼性の高い原材料の国際認証であるSSAP認証では、アメリカ大豆が環境、社会、経済面においてサステナブルに生産・管理されていることを保証します。 SSAP認証大豆である以上、米国産と原産地表示も可能です。

SSAP認証大豆では、米国の連邦政府が定めるサステナビリティや保全に関する法規制に準拠している他、ほとんどのアメリカ大豆農家が保全プログラムにも参画。第三者機関による監査も受け、結果重視で定量測定も可能です。

またSSAP認証には、他認証によくある取得のための費用的な負担が一切ありません。SSAP認証取得を開示するだけでよく、アメリカ大豆のトレーサビリティを確保する有効な手段の1つとなります。もし、より高いトレーサビリティや透明性が必要な場合には、米国バリューチェーン内の大豆調達企業や輸出企業側から、追加要件を求めることもできます。

日本の食品向けには分別生産流通管理
(IPハンドリング)を適用し、安心・安全な大豆をお届け

Supplying Safe & Reliable Soybeans Under IP (Identity Preserved ) to Japan

サプライチェーンの透明性向上の取り組みの1つとして米国は、分別生産流通管理(IPハンドリング)を構築・運用しています。米国は、分別生産流通管理の世界最大のサプライヤーでもあります。

分別生産流通管理とは、種子生産から生産、選別、保管、出荷、流通に至る各段階で、遺伝子組換えや他の品種との混入が起こらないよう、その農産物の純度を厳格に管理、各段階で検査を行い証明書を発行する管理方法のことです。日本やEUの豆腐や豆乳、納豆など大豆食品向けには全てこのIPハンドリング技術を駆使して流通された付加価値大豆をお届けしています。

この分別生産流通管理システムは、日本の遺伝子組換え表示制度ができた2001年に開発され、その後も日本のニーズを満たすために改善を重ねてきました。付加価値大豆の純度を守った安定確保のためには、米国の大豆農家と日本の大豆加工メーカー/輸入業者間の先を見据えた契約締結が重要です。分別生産流通管理システムは、今後も世界最大かつ最も重要な日本市場の食品企業への安定的な大豆供給に寄与していきます。

サプライチェーンマップ

アメリカの大豆農家:トレーサビリティ事例のご紹介

近年、企業を取り巻く環境は大きく変化し、金融投資家だけでなく、一般消費者までも企業の環境や社会問題へ取り組む姿勢に高い関心を持つようになっていることは前ページでお伝えしました。

社会課題を事業から解決しようとする企業は、社会的な存在価値を高め、ステークホルダーからの信頼にもつながります。このようなサステナビリティの観点からも、商品の信頼性を明確にするトレーサビリティの推進は、ますます重視されるようになってきています。

ここでは、厳格な条件で生産される特別な大豆を扱う企業においてのトレーサビリティ・サステナビリティは、どのような意味を持つのかを説明し、産地から日本向けトレーサビリティに取り組むアメリカの農家の事例を紹介していく予定です。

Case
Study
1
食品大豆

アメリカ大豆生産者/企業名シュワルツ・ファームズ社

シュワルツ・ファーム
パートナー&オーナー

ダン・シュワルツ氏

オハイオ州で25年以上にわたり大豆を生産するシュワルツ・ファームズでは、日本の法律に基づき遺伝子組換え作物との混入を防ぐ「分別生産流通管理(IP)」システムを導入。生産・選別・保管・出荷・加工に至るまで厳格な品質管理を行っています。また、大豆について環境負荷が少なく、労働者にも安全なサステナブルな生産方法で作られたことを証明するサステナビリティ認証 (SSAP)を取り扱い、大豆の全量に発行、積極的に販促を行っています。

また、同社の輸入商社と大豆加工メーカーも密に連携し、 SSAP認証マークを原料のみならず大豆加工製品のパッケージに記し、原料がアメリカでどのようにサステナブルに生産・管理されているかを見える化し、サプライチェーン全体に対して発信、ステークホルダーのSDGs目標達成に貢献しています。

オーナーのダン・シュワルツ氏は「サステナビリティのカギとなるのが土を耕さない不耕起栽培です」「トラクターなどで耕起作業を行わないことで、土壌を健康に保つだけでなく、温室効果ガスの排出を大きく削減する効果があります。さらにクローバーやオーツ麦などのカバークロップ(被覆作物)を植えることで、土壌の健康維持や雑草・害虫の抑制を行っています。同時にGPSやドローンなどのテクノロジーを活用した精密農業により農薬やエネルギーの使用を最小化しつつ、大豆の収量の最大化に努めています」と語ってくれました。
まさに顔が見えるトレーサビリティとサステナビリティの取り組みを実現しているプロアクティブなチームで、今後の進展が楽しみです。

Case
Study
2
工業用大豆

アメリカ大豆生産者/企業名SMD プロダクツ カンパニー社

SMD プロダクツ カンパニー社
オーナー

ガンナー・ライナム氏

環境への負荷軽減が強く求められる近年、その取組みは企業としてもはや必要不可欠になってきています。
建設現場や周辺環境のみならず、工場や施設に使用する原料や資材の調達責任は大きく、世界中が注目するようになりました。SMD プロダクツ カンパニー社が開発した大豆由来のコンクリート型枠剥離剤は、そんな状況における課題解決策として誕生しました。生分解性に優れ、生態系への影響や環境への負荷が少なく、人体に有害な成分を含まないため、健康への悪影響を軽減することが可能です。こちらの商品はSSAP認証取得世界第1号となり輸入総代理店を通し輸入され、TOKYO 2020で使用された新国立競技場、選手村をはじめ多くの公共施設や住宅などに使用されています。

関連記事・資料
埼玉糧穀株式会社
コンタクト先
customerservice@smdproductscompany.com

USSECは今後も、上記事例のようにサステナビリティ認証(SSAP)を活用し、
おいしさや安全性はもちろん、トレーサビリティやサステナビリティの確保により、
環境や社会問題へ取り組む農家や、輸入商社のベストプラクティス(最善例)についてご紹介していく予定です。
もっと深く知っていただくことで、さらなる日本の大豆の価値向上を目指します。

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