サステナビリティ

Sustainability

大豆のサステナビリティ

Soy Sustainability

2050年には、地球の人口は90億人に達すると推測されています。多様な用途を持つ大豆は需要とともに生産量が増加してきました。しかし一方で農地開拓に伴う森林伐採によってCO2の吸収量が低下した結果、気温上昇や気候変動をもたらし、結局のところ大豆の収量低下や地球環境に悪影響を与えていることがわかってきました。

そのような状況下、グローバルの金融観点では、特に自然資源や人的資源に支えられている農業や食品業界でのサステナビリティの重要性が指摘されるようになって来ています。署名機関では日本企業が世界最多のTCFD「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」でも、農林水産業と食品産業は気候変動リスクの高いセクターと認識されています。そのため、今後、こういったESG要因を事業戦略やビジネスモデルに組み込んでいくことや事業リスク対応力、つまり投資家の開示期待に応えていくことが、企業のサステナブルな成長のうえで重要な課題になっています。

地球上の限りある資源で90億人の食を支えるためには、生産者はもちろん、企業や消費者が一丸となりサステナブルな生産を推進する必要があります。

消費者コミュニケーション

日本は必要な大豆の7割をアメリカから輸入しています。アメリカ大豆は現在、世界一、サステナブルな方法で生産され、SSAP(サステナビリティ認証プロトコル)という認証制度を通じて日本の食卓に届けられています。しかし、ほとんどの消費者がその事実を知りません。そこで、SDGsや気候変動問題と向き合いながら日本を担っていく若年層の消費者の皆様にその事実や取り組みをお伝えし、“サステナブルな食”について考えていただく機会づくりとしてこの動画を作製しました。

アメリカ大豆のサステナビリティへの取り組み

  • 環境を保全するプログラムで

    万ヘタール

    が休耕状態

  • 1980年以降、アメリカ大豆生産時の
    エネルギー利用は1トン当たり

    %削減
  • 戸超

    の大豆生産農家が労働環境を守っている

  • 1980年以降、アメリカ大豆生産で
    1トン当たりの土地利用は

    %削減

インパクト

Impact

2025年までのアメリカ大豆のサステナビリティゴール

These continuous improvement goals were adopted by key U.S. Soy Organizations in 2015 and are based on a 2000 benchmark.

米国の大豆農家は生産性を向上する一方で、労働者の健康や人権への配慮は勿論、気候変動対策をも見据えた、生物多様性や生態系の保全、レジリエントな農業を実践し、そのための教育・研究にも継続的に投資を行うことを約束しています。

2015年に米国の大豆業界は、2000年から2025年までを見据え持続可能性に関する継続的な改善目標へのコミットメントを発表しています。土地使用量を10%減少、土壌浸食を25%削減、エネルギー使用効率を10%向上させ、温室効果ガスの総排出量を10%削減するというもので、5年ごとに見直しを行います。

アメリカ大豆の変化 1981-2015

このグラフは1981年から2015年までの35年間のアメリカ大豆の変化を数値化したものです。 2011年から2015年の5年間は、灌漑用水の水使用の例外を除き全エリアで改善しました。

アメリカ大豆の平均収量は35年間で1エーカー当たり20ブッシェル以上増加しています。つまり、アメリカ大豆の土地利用効率は基準値である2000年から12%改善しており、2025年までの目標である10%を既に達成しています。

今後も、1エーカーあたりの収量を向上させ、土地利用効率を改善し続ける目標に向かって努力を続けます。今後も、アメリカ大豆がこれまでどんな状態であったのか、また現在どんな状態で、これからどこを目指して行くのかという目標を設定し、それらを継続的に公開して行きます。

「Field to Market National Indicators Report」で公開されています。Field to Marketとは、生産者が定量的な基準を作るために農作業を分析したり、食品企業が天然資源を管理するために数値化、説明したりするのに役立つツールや基準を提供している団体です。
「Field to Market National Indicators Report」は5年ごとに発表されます。2020年版は今年の秋に発表される予定です。

アメリカ大豆のSDGsマッピング

Mapping SDGs for U.S. Soy

日本をはじめ、世界中でSDGsへの目標達成への関心が高まっています。
そのような中、アメリカの大豆業界と大豆農家はアメリカ大豆のサステナビリティの目標達成にむけ、アメリカ大豆のサステナビリティをSDGsとマッピングするプロジェクトを行ってきました。

アメリカ大豆の6つの最優先目標は「大豆の生産性向上・2」「水利用効率・6」「資源の持続可能な管理 ・12」「気候変動対策・13」「土壌の回復・15」「パートナーシップ ・17」です。

特に土壌の健康、水管理、CO2の削減、エネルギー使用削減、土地利用、生物多様性を改善するための農家の日々の実践が、アメリカ大豆に変化を生み出すうえで重要です。

2.4 生産性の向上

生産性を向上させ、 生産量を増やし、 生態系を維持し、 気候変動や極端な気象 現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的 に土地と土壌の質を改善させるような、 持続可能な食料生産システムを確保し、 強靭 (レジリエント)な農業を実践する。 アメリカ大豆のメリットのためにも米国農業 のリーダーになる。

6.4 水利用効率

水質と水量を改善するた めの責任ある慣行の推進 と教育によって水管理目標を策定する。
・灌漑水を制限
・貯水地
・緩衝帶
・水路
・暗渠(タイル)
・水の汚染防止
・不耕起栽培

12.2 資源の持続可能な管理

天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成。川下のプレイヤーとも積極的に連携しアメリカ大豆に関するコミュニケーションをはかる。

13.3 気候変動対策

気候変動に対し、強靭な生産慣行を促進するための研究、教育プロジェクトの継続的な支援
・土地利用ー森林伐採
・生物多様性保全

15.3 土壌回復

砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の 影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌 を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成 に尽力する。 川下のプレイヤーと共通目標を 特定する。

17.17 パートナーシップ

大きな変化や評価を目指し、 公的官民、 市民社会のパートナーシップの推進

米国産大豆のマテリアリティ分析

Materiality Analysis of U.S. Soybeans

下のチャートはアメリカ大豆のさまざまなステークホルダーに社会・経済・ 環境の側面からの評価を依頼し、その結果をマッピングしたチャートです。縦軸の矢印はステークホルダーにとっての重要性、横軸は影響力をあらわします。

アメリカ大豆の社会的側面についてはすでに大きく前進しており、依然として重要であると同時に、現在のアメリカ大豆にとって国際競争力の源泉であると認識されていることがわかりました。また一方で、経済面はサステナビリティの基盤であるという理解で一致しました。

これらの評価をもとに、今後、大きな変化をもたらすためには、右上の赤枠の部分に特別な努力を注いて行くことがステークホルダーにとっても重要であることも認識しました。

ステークホルダーの多くは、アメリカ大豆の現在の目標が、チャート中央にある側面のいくつかにすでに対応していることを認めています。したがって、持続可能な開発目標の枠組みの中で説明されている点に最もよく対応するためにも、アメリカの大豆業界は土壌の健康、水の管理、温室効果ガスの削減関連により一層の努力をしていきます。