COLUMNコラム
2025年米国研修コラム
米国研修コラム|05

服部栄養専門学校
栄養士科
乃美 優里加さん
良い油を選ぶ事で健康を
ソイオイルマイスターカンファレンス
大豆国際カンファレンスを通して、
・世界の植物油市場の動向
パーム油・大豆油・菜種油・ひまわり油などの生産、輸出入量、在庫、価格動向、米国の大豆産業と搾油動向
・大豆油と大豆ミールの市場構造と用途
・米国産大豆油の品質と精製コスト
・サステナビリティと国際認証SSAP
・世界市場における価値連鎖と政治経済
・大豆油と人間の健康
などとさまざまな視点から情報を得られるカンファレンスでした。
その中でも私は栄養士になるための勉強をしているので大豆油と人間の健康について発表されていた julie ohmen さんのお話がとても興味深かったのでレポートしたいと思います。
私たちの食生活に欠かせない「油」ですが、一般的には「太る」「体に悪い」というネガティブな印象を持たれがちです。しかし、ジュリーさんの発表では、その思い込みをくつがえす、科学的根拠に基づいた事実が多く紹介されていました。
特に印象的だったのは、大豆油に含まれる「多価不飽和脂肪酸」、英語でPUFAと呼ばれる脂肪の重要性についてです。PUFAとは、分子の中に2つ以上の二重結合を持つ脂肪酸のことで、代表的なものにオメガ3やオメガ6があります。これらは体内で合成できないため、「必須脂肪酸」と呼ばれ、食事から摂取する必要があります。PUFAには、炎症を抑えたり、心臓や脳の働きを支えたりする働きがあり、まさに健康維持に不可欠な成分です。中でも、飽和脂肪の代わりにPUFAを5%多く摂ることで、心疾患のリスクが25%も下がるという研究結果には驚かされました。また、炎症との関係についても、多くの人が「植物油=炎症を起こす」と誤解している中、実際には80本以上の研究から「リノール酸(オメガ6)は炎症に関係しない」ことが示されており、大豆油が安心して摂取できる油であることがわかりました。
さらに興味深かったのは、体脂肪や脳の健康との関係です。大規模な追跡調査によれば、PUFAの摂取が多い人ほど体脂肪率が低く、またリノール酸が不足すると、認知症やパーキンソン病などのリスクが高まる傾向があることも報告されています。
もうひとつ重要な点は、アレルギーへの配慮です。大豆アレルギーの人でも、精製された大豆油はアレルゲン性がないとされており、安全性が高いという点も、多くの人にとって安心材料になると感じました。
ジュリーさんの発表は、健康にとって油が「敵」ではなく、「選び方が大切な栄養素」であることを教えてくれました。これからの時代、脂質は避けるのではなく、質の高い脂肪、つまりPUFAを多く含む大豆油のような“良い油”を選ぶことが、健康づくりの鍵になると強く感じました。
今回の視察研修を終えて
今回のカンファレンスを通じて、大豆油は「産業」「経済」「環境」「健康」のすべてに関わる重要な食品であり、選び方・使い方次第で世界と人の未来を変える可能性があることがよく分かりました。
運営団体

アメリカ大豆輸出協会(U.S. Soybean Export Council:USSEC) は世界80ヶ国でアメリカ大豆の市場拡大や輸出のプロモーションをおこなうマーケティング機関です。USSECには優良な輸出業者・大豆生産者・政府機関・関連団体等がメンバーとして所属しております。
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