COLUMN

2023年米国研修コラム

米国研修コラム|02

安藤 みなみ

株式会社J-オイルミルズ
東京支社 業務用販売部

安藤 みなみさん

高オレイン酸大豆油の可能性に熱い視線 日本での展開に期待

当社は、米国大豆等を搾油し食用油を製造しています。私は業務用油脂の営業担当としてお客様に原料のアメリカ大豆のことをご案内する立場にありますが、実際に大豆の生産農場や様々な施設を見学できたことは、大変貴重な経験になりました。

ケビンケリー農場

ケビン・ケリーズファームは、1903年設立の農場で、現在4代目であり3,100エーカーの広大な土地にとうもろこし、大豆、小麦を育てています。
Non-GM(非遺伝子組み換え大豆)は今は取り扱いなし。Non-GM大豆は、プレミアムで高値で売れるものの、手間やコストを賄うことができず現在は積極的に取り組んではいないとのことでした。

  • ケビン・ケリー農場
  • 窒素で動く肥料用トラック
    窒素で動く肥料用トラック
    (機械は新品で購入しても5~6年使って売却している。)
  • 耕運機
    耕運機
  • 穀物を保存しておくサイロ
    穀物を保存しておくサイロ

左:窒素で動く肥料用トラック(70万ドル約1億円するそうです)。
中:耕運機。作付け前に土を掘り起こす機械。GPS誘導により自動で走行できるとのこと。三角のタイヤはオプションで土地の圧縮を抑えることができるそうです。
右:穀物を保存しておくサイロ。総貯蔵可能量は45万Bu。サイロは全て繋がっており全10基。各タンクにはセンサーが付いており、貯蔵や湿度を管理しています。

広大な大豆畑に日米の農業の規模の違いを実感

大豆畑も非常に広大でアメリカ農業のすごさを感じました。機械も大きさだけではなく非常に高価で、アメリカと日本の農家は投資規模でも大きな違いがあるように感じました。
また、「Non-GMOはGMO製品に見合うコストメリットがない」という現地の担当者の言葉が印象的でした。彼らとしては、むしろGMOで雑草耐性を上げ収穫率を上げたい意向があるようで(既存の種子は除草剤耐性がついてきている)、単純にNon-GMOを求めるだけでは、生産現場の意向とミスマッチしてしまうのだなと感じました。

今回の視察研修を終えて

広大な大豆畑とともに様々な機械や設備を拝見し、また農家の方と会話するなかで普段最終製品の油でしか見ることがなかった大豆がどのように生育され日本に届くのか、その経緯を垣間見ることができとても貴重な経験になりました。当社では米国大豆等を搾油し、私は業務用油脂営業担当として油を販売しています。ここ2年、油業界は度重なる価格改定を発表し、お客様と相場のお話をする機会がしばしばありました。今までは机上の知識をもとに商談をしていましたが、研修ツアーに参加して、実際に大豆畑を見ることにより今後、原料相場のお話をする際にも説得力のあるお話ができるのではないかと期待しています。実際に帰国後、相場のお話が出た際、大豆種子がライセンス上翌年に持ち越せないお話をするとお客様に非常にご納得いただき、ご理解を得られました。今回の研修に参加していなければ話せなかった内容だと思います。今回様々な機関で大豆の研究開発が進められていることを確認し、今後メリットある成果が出てくることで世界の市場が活性化することが楽しみです。

運営団体

アメリカ大豆輸出協会(U.S. Soybean Export Council:USSEC) は世界80ヶ国でアメリカ大豆の市場拡大や輸出のプロモーションをおこなうマーケティング機関です。USSECには優良な輸出業者・大豆生産者・政府機関・関連団体等がメンバーとして所属しております。

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